素材のこと~絹

18:44

少し前になりますが5月、松本からお蚕さんを連れて帰りました。


すごく躊躇したものの、以前から蚕蛾が生きる様子を身近でみたいと思っていたから。

躊躇した理由は、蛾にしてもその子たちが産む卵を孵化させて、幼虫を飼育することは難しいということ。
販売の方にも色々教えて頂いたんですが、メス1匹が生む卵は約400個。
その卵たちを保存して孵化させると、メス×400の倍の倍の倍…。
春までの卵の保管方法も聞いたりしたものの、やっぱり無理。

考えた結果、交尾をして卵を産むために蛹から成虫になって出てくるという目的までしっかり達成してもらおうと見守ることに。
口から八の字に出す糸を、前の2つの足でぐーっと繭の支持体となる場所にくっつけて、
休みなく動いてせっせと繭を整えていく様子、可愛かったなぁ。

驚いたのは、偶然かもしれないけどオス3匹が先に繭から出てきて、次の日にメス2匹が繭から出てきたこと。
繭と繭との間隔が狭くて間にメスが閉じ込められていたので、糸を切ってメスを出したら
いままで大人しかったオスたちが急に羽音を立てて騒ぎだし、交尾へ。
オス3匹に対してメス2匹だったせいか大騒ぎ。
3日くらいずっとくっついたままで、メスのおなかがどんどん膨らみます。

成虫になったお蚕さんは水分も栄養も取りません。
あんなに一生懸命に繭作った後でおなか空いてないの?と思いながらただ見守る…。

結局、松本から連れて帰ったお蚕さんたちは、蛾になって2週間くらい生きてくれました。

1頭1頭がしっかり生きて命を繋いでくれていることで、人間が絹を手にすることが
できるんですね。


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