瓶覗き
22:30穏やかに年が明け、今年の仕事始めは糸染めから。
工場の片隅をお借りしての作業です。
精練した綿の生糸を静かに藍瓶の中に浸し、ふんわりと手繰り寄せるように糸を瓶の中で泳がせます。
引き出して余分な藍液を絞ったら、流水で空気に触れさせ発色させます。
作業をしていると、職人さんたちが色々と教えてくれます。
「藍もな、働かせてばっかりでのうて休み休み使こてやらなあかん。栄養も休息も取らなあかん。
かとゆうてずっと休ませとったらええかっていうたら違う。人間やってほうやろ~?」
かとゆうてずっと休ませとったらええかっていうたら違う。人間やってほうやろ~?」
この日のこの藍は、とっても元気だったようで。
一浴で、瓶覗き(かめのぞき)という仄かな藍色に染める予定が、柔らかい感じの生き生きした色に染まりました。
予定とは違ったけど・・・気持ちがすっとするようないい色です。
*精練(せいれん)とは、繊維についた糊や不純物を除去する工程をいいます。
*瓶覗き(かめのぞき)とは、留紺>黒紺>紺(勝色)>藍>花色>浅葱>水浅葱>瓶覗き と藍色系統ではもっとも薄い色で、染色の際も藍瓶に漬けてすぐに引き上げてしまうことから「瓶覗き」と呼ばれます。また、水瓶に映りこんだ青空の色を表現したので瓶覗きと呼ぶという説もあるそうです。
英語では、Horizon Blue, Pale Aqua などが近い色らしいです。
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